「まだ20代なのに、なんだか髪が薄くなってきた気がする…」近年、このように若い世代で薄毛の悩みを抱える人が増えていると言われています。いわゆる「若年性脱毛症」です。一般的に薄毛は中高年の悩みというイメージがありますが、実際には20代、場合によっては10代後半から薄毛が進行し始めるケースも少なくありません。この若年性脱毛症の主な原因として考えられるのが、男性型脱毛症（AGA）の早期発症です。AGAは遺伝的要因と男性ホルモンの影響が大きく関わっており、発症年齢には個人差があります。家族に薄毛の人がいる場合、若い頃からAGAの兆候が現れる可能性が高まります。また、現代社会特有の要因も若年性脱毛症を助長していると考えられています。例えば、不規則な生活習慣です。夜更かしや睡眠不足、偏った食生活、過度なダイエットなどは、髪の成長に必要な栄養素の不足やホルモンバランスの乱れを引き起こし、頭皮環境を悪化させる可能性があります。ストレスも大きな要因の一つです。学業や就職活動、仕事のプレッシャーなど、若い世代も多くのストレスにさらされています。過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を招いて頭皮への栄養供給を妨げることがあります。さらに、誤ったヘアケアも若年性脱毛症の原因となり得ます。洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、頻繁なカラーリングやパーマ、整髪料の洗い残しなどは、頭皮にダメージを与え、抜け毛を促進する可能性があります。20代ではげるというのは、決して珍しいことではありません。もし、抜け毛の増加、髪のハリやコシの低下、生え際の後退、頭頂部の地肌の透け感などを感じたら、それは若年性脱毛症のサインかもしれません。大切なのは、年齢に関わらず、これらの変化に気づいたら早めに専門医に相談することです。早期に適切な対策を始めることで、薄毛の進行を遅らせたり、改善したりすることが期待できます。