日本国内だけでなく、世界的に見ても薄毛は多くの人々にとって関心の高いテーマです。では、はげる年齢の平均や薄毛の有病率は、国や地域によって違いがあるのでしょうか。いくつかの調査や研究データを参考に、世界的な傾向を見てみましょう。一般的に、男性型脱毛症(AGA)の有病率は、白色人種(コーカソイド)で最も高く、次いで黄色人種(モンゴロイド)、黒色人種(ネグロイド)の順に低くなると言われています。例えば、チェコ共和国の調査では、成人男性のAGA有病率が非常に高いことが報告されており、年齢とともにその割合は著しく増加します。ヨーロッパや北米の多くの国々でも、50歳以上の男性の半数以上が何らかの形でAGAを発症しているというデータがあります。これに対し、アジア諸国、例えば日本や韓国、中国などでは、欧米諸国と比較するとAGAの有病率はやや低い傾向にあるとされています。しかし、それでも日本人男性の場合、前述の通り年齢とともに有病率は上昇し、50代以降では40%以上がAGAを発症するというデータもあります。食生活の欧米化やストレスの増加など、生活環境の変化が、アジア人におけるAGAの増加に影響している可能性も指摘されています。アフリカ系の人々は、他の人種と比較してAGAの有病率が最も低いとされていますが、全く発症しないわけではありません。また、牽引性脱毛症(髪を強く引っ張る髪型などが原因で起こる脱毛症)は、特定のアフリカ系の髪型と関連して見られることがあります。これらのデータから分かるように、はげる年齢や薄毛の有病率には人種差が存在すると考えられます。これは、遺伝的背景の違いや、食文化、生活習慣、気候条件などが複合的に影響しているためと推測されます。ただし、どの国や地域においても、加齢とともに薄毛のリスクが高まるという基本的な傾向は共通しています。グローバル化が進む現代において、薄毛は人種や国境を越えた共通の悩みであり、その対策や治療法の研究も世界中で進められています。
8月9