私は30代後半からAGAの進行を感じ始め、40歳を過ぎた頃から本格的に治療を開始しました。治療は内服薬と外用薬の併用で、徐々に効果を感じてはいたものの、どこか停滞感もありました。そんな私にとって、大きな転機となったのが「禁煙」です。実は、私は20代の頃から喫煙習慣があり、AGA治療中も「ストレス解消になるから」と、なかなかタバコをやめられずにいました。医師からも禁煙を勧められてはいましたが、本気で取り組むまでには至っていませんでした。しかし、ある日、鏡で自分の頭皮の状態をじっくりと見たとき、そして治療費のことを考えたとき、「このままではいけない。もっと真剣に髪と向き合わなければ」と強く感じたのです。そして、その日から禁煙を決意しました。最初の数週間は、禁断症状との戦いでした。イライラしたり、口寂しさを感じたり、集中力が続かなかったり。何度もくじけそうになりましたが、その度に「髪のためだ」と自分に言い聞かせ、ガムを噛んだり、深呼吸をしたりして乗り越えました。禁煙を始めて1ヶ月ほど経った頃、まず感じたのは体調の変化です。朝の目覚めが良くなり、肌の調子も少し改善したように感じました。そして3ヶ月が過ぎる頃、髪にも変化が現れ始めたのです。以前よりも抜け毛が減り、髪に少しハリが出てきたような気がしました。AGA治療薬の効果が、よりダイレクトに現れているような感覚でした。半年後には、美容師さんからも「なんだか髪、しっかりしてきましたね」と言われるようになり、その言葉が大きな自信になりました。もちろん、禁煙だけでAGAが劇的に改善したわけではありません。しかし、禁煙したことで、AGA治療の効果をより実感しやすくなったのは間違いありません。そして何よりも、自分の意志で何かを達成できたという自信が、薄毛というコンプレックスと向き合う上で、大きな精神的な支えになりました。タバコをやめたことで、浮いたお金を他の健康的なことに使えるようになったのも嬉しい変化です。AGAに悩む喫煙者の方は、ぜひ一度、禁煙に挑戦してみてほしいと思います。それは、髪だけでなく、人生そのものを変えるきっかけになるかもしれません。