抜け毛が増えると、「もしかして何かの病気なのでは?」と心配になる方も多いでしょう。確かに、抜け毛は様々な病気のサインとして現れることがあります。しかし、全ての抜け毛が病気に直結するわけではありません。では、どのような点に注意すれば、病気の可能性を見極めることができるのでしょうか。まず、抜け毛の量や期間です。季節の変わり目や一時的なストレスなどで、一時的に抜け毛が増えることは誰にでもあります。しかし、数ヶ月以上にわたって明らかに抜け毛が多い状態が続く場合や、急激にごっそりと髪が抜けるような場合は注意が必要です。次に、抜け毛以外の症状の有無です。例えば、頭皮にかゆみ、赤み、湿疹、フケなどが伴う場合は、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎といった頭皮の病気が原因かもしれません。また、全身の倦怠感、体重の急激な変化、動悸、息切れ、微熱が続く、関節痛、皮膚の発疹など、髪以外の部分に何らかの体調不良がある場合は、甲状腺疾患、貧血、膠原病といった内科的な病気が潜んでいる可能性も考えられます。さらに、抜ける毛のパターンも重要です。男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)のように、特定の部位から薄くなるパターン性の脱毛は、ホルモンバランスや遺伝的要因が関与していることが多く、必ずしも内科的な病気とは限りません。一方で、円形脱毛症のように、突然コイン大の脱毛斑が現れる場合は、自己免疫疾患の可能性が疑われます。これらのポイントを総合的に見て、単なる生理的な抜け毛の範囲を超えていると感じたり、他の気になる症状があったりする場合は、自己判断せずに専門医に相談することが大切です。皮膚科や内科、場合によっては婦人科や内分泌科など、症状に応じた診療科を受診し、原因を特定することが、適切な対策への第一歩となります。
月別アーカイブ: 2月 2021
抜け毛で病院へ行くべきサインとは
普段からある程度の抜け毛は誰にでも見られる自然な現象です。しかし、その抜け毛が何らかの病気の兆候である場合、早期に医療機関を受診することが重要になります。では、どのような状態になったら病院へ行くべきなのでしょうか。まず、抜け毛の量が明らかに異常だと感じる場合です。例えば、シャンプーの際や朝起きた時に枕についている髪の毛の量が、以前と比べて急激に増えた、あるいは毎日大量に抜け続けるといった状態は注意信号です。特に、手ぐしを通しただけでごっそりと毛が抜けるような場合は、何らかの原因が潜んでいる可能性があります。次に、抜け毛と共に頭皮に異常が見られる場合です。強いかゆみ、フケが大量に出る、赤みや湿疹、痛みなどがある場合は、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎、あるいは感染症といった頭皮自体の病気が考えられます。これらは放置すると悪化し、抜け毛をさらに進行させる恐れがあります。また、特定の箇所だけが集中して抜ける場合も受診を検討すべきサインです。円形脱毛症のように、コイン状に毛が抜け落ちる場合は、自己免疫系の異常が関わっている可能性がありますし、広範囲にわたって急激に髪が薄くなるびまん性脱毛なども、原因の特定が必要です。さらに重要なのが、抜け毛以外の全身症状の有無です。原因不明の体重減少や増加、極度の疲労感、動悸や息切れ、微熱が続く、関節の痛み、皮膚の発疹、女性の場合は月経不順など、他の体調不良を伴う抜け毛は、甲状腺疾患、貧血、膠原病、婦人科系疾患といった内科的な病気が隠れているサインかもしれません。これらの症状に一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに、まずは皮膚科を受診しましょう。皮膚科医は髪と頭皮の専門家であり、必要に応じて内科など他の診療科への紹介も行ってくれます。早期発見、早期治療が、健康な髪を取り戻すための第一歩です。