抜け毛が増えると、「もしかして何かの病気なのでは?」と心配になる方も多いでしょう。確かに、抜け毛は様々な病気のサインとして現れることがあります。しかし、全ての抜け毛が病気に直結するわけではありません。では、どのような点に注意すれば、病気の可能性を見極めることができるのでしょうか。まず、抜け毛の量や期間です。季節の変わり目や一時的なストレスなどで、一時的に抜け毛が増えることは誰にでもあります。しかし、数ヶ月以上にわたって明らかに抜け毛が多い状態が続く場合や、急激にごっそりと髪が抜けるような場合は注意が必要です。次に、抜け毛以外の症状の有無です。例えば、頭皮にかゆみ、赤み、湿疹、フケなどが伴う場合は、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎といった頭皮の病気が原因かもしれません。また、全身の倦怠感、体重の急激な変化、動悸、息切れ、微熱が続く、関節痛、皮膚の発疹など、髪以外の部分に何らかの体調不良がある場合は、甲状腺疾患、貧血、膠原病といった内科的な病気が潜んでいる可能性も考えられます。さらに、抜ける毛のパターンも重要です。男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)のように、特定の部位から薄くなるパターン性の脱毛は、ホルモンバランスや遺伝的要因が関与していることが多く、必ずしも内科的な病気とは限りません。一方で、円形脱毛症のように、突然コイン大の脱毛斑が現れる場合は、自己免疫疾患の可能性が疑われます。これらのポイントを総合的に見て、単なる生理的な抜け毛の範囲を超えていると感じたり、他の気になる症状があったりする場合は、自己判断せずに専門医に相談することが大切です。皮膚科や内科、場合によっては婦人科や内分泌科など、症状に応じた診療科を受診し、原因を特定することが、適切な対策への第一歩となります。
その抜け毛病気?見極めるポイント