男性型脱毛症の進行度合いを客観的に把握するために世界中で広く用いられている指標について詳しく解説します。一般的にハミルトンノーウッド分類と呼ばれるこの尺度はAGAの進行パターンを詳細に区分けしており医師が診断を下す際や治療方針を決定するための重要な判断材料となります。この分類法は一九五〇年代にハミルトン医師が提唱したものを後にノーウッド医師が改訂したものであり現在では最も標準的な指標として定着しています。分類は大きく分けて七段階から十二段階程度のパターンに細分化されており生え際の後退具合や頭頂部の薄毛の進行状況によって判定されます。初期段階であるステージⅠやⅡでは額の生え際がわずかに後退し始めた状態やM字型の兆候が見られる程度であり本人でも気づきにくい場合があります。しかしこの段階での早期発見と対策が後の進行を食い止めるための鍵となります。進行が進みステージⅢやⅣになると生え際の後退が顕著になり頭頂部の薄毛も目立ち始めるため外見上の変化が明らかになります。この時点で多くの人が専門機関への相談を検討し始めます。さらに進行したステージⅤ以降では前頭部の後退部分と頭頂部の薄毛部分が繋がり広範囲にわたって頭皮が露出する状態となります。最終的なステージⅦでは側頭部と後頭部にのみ髪が残る状態となり治療の難易度も高まります。この分類を知っておくことのメリットは自身の現状を客観的に理解できる点にあります。鏡を見てただ何となく薄くなったと感じるのではなく自分がどのステージに該当するのかを照らし合わせることで冷静な判断が可能になります。また治療を開始した後もどの程度改善が見られたかを評価する基準として役立ちます。ただしこの分類はあくまで欧米人の統計に基づいたものであるため日本人を含むアジア人の進行パターンとは一部合致しない場合があることにも留意が必要です。日本人の場合は頭頂部から円形に薄くなるパターンや全体的に密度が低下するパターンも多く見られるためハミルトンノーウッド分類だけでなく独自の視点も加味した診断が求められることがあります。専門医はこれらの指標を参考にしつつ個々の髪質や頭皮の状態を総合的に診察して最適な治療プランを提案してくれます。