食事をしようとすると、顎の下や耳の下が、キューッと締め付けられるように痛む。鏡を見ると、そのあたりがぷっくりと腫れている。芦屋で人気の歯医者からセラミックの事に、しばらくすると、その痛みも腫れも嘘のように引いていく――。もし、あなたがこのような奇妙な症状を繰り返しているなら、それは「唾石症(だせきしょう)」のサインかもしれません。唾液を作る「唾液腺」や、唾液を口の中に送り出す「導管」の中に、石(唾石)ができてしまう病気です。 この唾石症と診断された時、多くの人がインターネットで情報を検索し、「マッサージで自然に排出されることがある」という記述に、一縷の望みを託します。手術は怖いし、できれば自分の力で、この厄介な石を外に出したい。そう考えるのは、ごく自然な感情でしょう。しかし、その自己流のマッサージが、実はあなたの症状を悪化させ、より深刻な事態を招く危険な行為である可能性について、あなたは考えたことがあるでしょうか。 大正区から人気の歯医者でいわれるのはもうちょっと、唾石症の「自然排出」が、どのような条件下で起こり得るのかを、正しく理解する必要があります。自然に排出される可能性があるのは、唾石が非常に小さく(数ミリ程度)、かつ、唾液の出口に近い場所に存在する場合に限られます。唾液は、食事の際に大量に分泌されます。この時、唾液が勢いよく流れ出ようとする力(唾液圧)によって、出口付近にある小さな石が、押し出されることがあるのです。これが、自然排出のメカニズムです。 では、「マッサージ」は、このプロセスにどう関わるのでしょうか。理論上は、唾液腺のある場所(顎下腺なら顎の下、耳下腺なら耳の下)を、口の中に唾液が出てくる方向に沿って優しく圧迫することで、唾液の分泌を促し、石の排出を補助する効果が「期待できるかもしれない」とされています。また、レモンや梅干しといった酸っぱいものを想像したり、食べたりして、唾液の分泌量を増やす「唾液腺マッサージ」も、同様の理屈です。 しかし、ここには大きな落とし穴が存在します。自己流の、特に「強い」マッサージは、百害あって一利なし、と言っても過言ではありません。なぜなら、石が導管の途中で詰まっている状態で、無理やり唾液腺を圧迫すると、行き場を失った唾液が唾液腺内部に溜まり、内圧が急激に上昇します。これにより、唾液腺そのものがパンパンに腫れ上がり、あなたは耐え難いほどの激痛に襲われることになるのです。これは「唾仙痛(だせんつう)」と呼ばれ、唾石症で最も辛い症状の一つです。 さらに危険なのは、強いマッサージによって、すでに炎症を起こしている唾液腺や導管の組織を、さらに傷つけてしまうことです。これにより、細菌感染のリスクが飛躍的に高まります。単なる唾液腺の腫れだったものが、細菌感染を伴う「急性化膿性唾液腺炎」へと悪化し、高熱が出たり、顎の下が硬く腫れ上がって皮膚が赤くなったりします。こうなると、抗生物質の投与が必要となり、場合によっては皮膚を切開して膿を出す「切開排膿」という、より大きな処置が必要になることさえあるのです。 唾石症の治療において、最も重要なのは、まず専門家である耳鼻咽喉科医や口腔外科医による、正確な診断を受けることです。CTなどの画像検査によって、石の大きさ、数、そして存在する場所を、正確に特定しなければなりません。その上で、医師が「このサイズと位置なら、自然排出の可能性があるから、水分を多く摂って、優しくマッサージを試してみましょう」と指導した場合に限り、マッサージは有効な選択肢となり得ます。 自己判断でのマッサージは、暗闇の中で、詰まったパイプを闇雲に叩いているようなものです。それは、詰まりを解消するどころか、パイプそのものを破損させてしまう危険性を常にはらんでいます。どうか、「自然排出」という甘い言葉に過度な期待を寄せず、まずは専門家の診断を仰いでください。それが、あなたの苦痛を最小限に抑え、安全かつ確実に問題を解決するための、唯一の正しい道筋なのです。