鏡を見るたびに額の広さが気になり始めたのは三十代に入ってすぐのことでした。最初は単なる加齢による変化だろうと高を括っていましたが洗髪時の抜け毛が増えセットが決まらなくなるにつれて不安が募りました。インターネットで情報を集めるうちにAGAには明確な分類があることを知り自分の症状がどのタイプに当てはまるのかを調べ始めたのが私の治療への第一歩でした。私の場合は典型的なM字型に進行するタイプで両サイドの生え際が徐々に剃り込みのように深くなっていくパターンでした。専門のクリニックを訪れた際に医師から提示されたのはハミルトンノーウッド分類という図表でした。そこで私が診断されたのはステージⅢの初期段階でした。図表を見ることで自分の薄毛がどの程度進行しているのかが視覚的に理解できショックを受けたと同時にこれからの対策に向けた覚悟が決まりました。医師の説明によると私のタイプは前頭部から進行するケースであり頭頂部はまだ無事であるため早めに治療を開始すれば維持できる可能性が高いとのことでした。自分一人で悩んでいた時は漠然とした恐怖しかありませんでしたが医学的な分類に当てはめて説明されることで現状を整理できたことは精神的な救いになりました。治療を始めてから半年ほど経過した頃には進行が止まり産毛が生えてくるのを実感できるようになりました。もしあの時分類について知らず自分の進行レベルを把握していなければ市販の育毛剤だけで対処しようとして貴重な時間を無駄にしていたかもしれません。薄毛の悩みは非常にデリケートで他人には相談しにくいものですが客観的な基準を知ることは感情的な焦りを鎮める効果もあります。同じように悩んでいる方がいるならまずは自分の症状がどの分類に当てはまるのかを確認してみることをお勧めします。それは単なるラベル付けではなく自分に合った解決策を見つけるための地図のような役割を果たしてくれるはずです。